ウフフの我が家

気が付けば、スウェーデンハウスを建ててはや20年。オーナーコピーライターのひとりごと。

森は生きている

冬の間は怠けがちだった散歩を少しずつ再開している。緑道を歩いていると、膨らんだつぼみや柔らかそうな木の芽に春の訪れを感じてとても幸せだ。少し視線を上げると周りの家々の様子も見えてくる。ピアノの音が聞こえてきたり、カレーの匂いがしてきたり。大きな窓を見かけると「あ、スウェーデンハウスかな?」――よくよく見ると違っていることもしばしば。そして思う。似てはいるけど性能はどうなのかしら?暖かいかな?静かかな?ちょっと訪ねて行って触れてみたい衝動に駆られてしまう。

先日、前々から好きだった絵画が日本に来るというので、どうしても観たくて美術館へと足を運んだ。テレビや図録で何度も観ていた作品。けれど本物を目の前にして、あまりの迫力と心に染み入るような優しさに、しばらく動けなくなってしまった。どんなに映像や印刷の技術が発達しても、VRで臨場感が楽しめる時代になっても、本物に触れるたった一瞬の感動には適わない。「オリジナル」は圧倒的な、唯一無二の美しさを持つ。

「似たようなもの」に一番大事な部分は再現できない。それはきっと、志とかプライドとか、体温のようなものなのだと私は思う。そしてそれはきちんと本物を求めている人には肌感覚で伝わって、必ず見分けることができるものだとも思う。ミュージアムショップで買った絵葉書は、そのままではそれほどの輝きを放たないけれど、本物を知った今の私は、目を遣るたびにその迫力を蘇らせることができる。

願っても、本物に出会えない時だってある。似たようなものであっても感謝して受け止める姿勢もいいと思う。でも、「何が本物なのか」を見極める目や心は持っていたい。

唯一無二の「木製サッシ3層ガラス窓」。私はこの窓が、愛や希望でできているオリジナルだと知っている。ぶらぶらと散歩をしながら、今日もまた探してしまうんだろう。